夫と出会ってから結婚まで ep.3 Do you wanna watch a film with me?

 こんにちは、ぽこです🦤



船尾でロマンチックな告白をうけたぽこ。

あんなに失礼(?)な返事だったにも関わらず、モーリスはめげませんでした。鉄のメンタル. . .!


それからというもの、クルーバーに行くと、ほぼ必ずと言っていいほどモーリスが来る。センサーでもついてるのか?って思うぐらいタイミングが合う。


※後で聞いた話だけど、モーリスはクルーバーに何人かスパイ🕵️‍♂️がいて、私が入ってくるとモーリスに連絡が行くようになってたらしい。偶然クルーバーにいたのではなかったんだって。やるなモーリス. . .※


そして他愛のない会話をかわします。

それは毎日続きました。



クルーとして船に乗ると、日本人は私だけなので、とても目立ちます。

私が『日本人』であるからという理由だけで寄ってくる人もしばしばいました。

「日本語を教えて」「日本のカルチャーってクールだよね」「日本は素晴らしい国だよね」


私の母国に興味を持ってもらえるのは素晴らしいことだけど. . .


でも私は日本ではありません。私は人間です。

なので日本の話をふられるのが苦手でした。

そもそもよく知らないし。日本のこと。(それに他人に日本語という難しい言語を教えるほどお人好しでもない)



モーリスは、ただひとり、違いました。

私に話しかけてくる人間の中でただ一人、日本という国がまず何処にあるのかさえ知りませんでした。

やっと誰かとちゃんと会話した気になったのを覚えています。

紳士で人間的な会話ができるモーリス。







ある日のことです。

🧑🏾‍🦲{ぽこ、一緒に映画見ようよ)

とモーリスに誘われました。



これ、クルーの間ではよくある口説きフレーズなんです。


「はぁ、普通にデートのお誘いじゃん?」と思うかもしれません。

しかし、陸とは違い、船の中には映画館はありません。


どこで見るかというと、キャビンの中でパソコンの画面で見ます。

つまり、一緒に映画を見るということは、必然的に俺の/私のキャビンにおいで、と言い換えることができます。

さらに、キャビンの中には椅子が一脚しかありません。二人並んで映画を見られる場所はベッドしかありません。

『一緒に映画を見ようよ』= 俺/私のキャビンのベッドで映画を見ようよ

になります。恐ろしい距離感です。



映画に誘われた私は、

👩🏻.。oO(はっはーん。紳士なふりして、結局はそういうことを手っ取り早くやってしまいたいんだな。)

と邪推しました。


👩🏻.。oO(しかし映画はぶっちゃけ見たいしな. . .なんかしてきたらそれはそれで断って、ギクシャクさせて終わりにしよう。)


と安直に考えて、モーリスのキャビンに向かったのでした。





🧑🏾‍🦲{どうぞ〜今ルームメイトいないんだ〜)

キャビンに行くと、ニコニコしながらモーリスは言います。



はっはーん。やっぱそうなんじゃん。



あえてルームメイトがいない時間を選んで私を呼んだんだろそうなんだろ。


いついかなる時も、ハグもキスも求めてこなかったし、ドアは開けてくれるし、不快な会話はしないとっても紳士なモーリス. . .だったのに。私の中でモーリスのイメージが、段々と悪いものになっていきました。内心、ショックでした。

👩🏻.。oO(これで指一本でも触ってきたら何も言わずに部屋を出るぞ。)

そう決心して、促されるままベッドに上がりました。

せっっっまいシングルベッドの上、大人が二人。私は来たことを後悔し始めていました. . .





せっっっっまいシングルベッドにも関わらず、なんとモーリス、私との間に必ず1cmの隙間を保ってくれたのです。


絶対的な1cmの隙間。


私に言われたからではなく、自分で考えて空けてくれたこの隙間。この予想外のジェントルマンシップには、さすがにキュンとしてしまったッ💥

そして何事もなく、ぽこは平和にキャビンを後にしたのでした。




👉🏻👉🏻👉🏻次回予告👉🏻👉🏻👉🏻

そう、何事にも緩急が必要だ。押してダメなら引いてみろ。引いてダメなら押してみろ。

次回、百戦錬磨のモーリス!恋愛下手なぽこ、駆け引きに翻弄される。お楽しみに🤗





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ぽこ
豪華客船で働いていたら、モーリシャスから来た夫と6ヶ月でスピード結婚!結婚5年目、今までとこれから。

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