夫と出会ってから結婚まで ep.10 the pyjamas

こんにちは、ぽこです🦤


さて、前回に引き続き、モテモテ大魔神🧞‍♂️の余波をご紹介します。


 Case 2. イノセントルックな策士デリーシャちゃん


豪華客船は、ひっきりなしにクルーが入れ替わります。

シーズンの始まりと終わりが最もクルーの入れ替えが激しいのですが、そうでなくても割と頻繁に新しいクルーが乗ってきたり、降りたりします。


その日も、キョロキョロと周りを見回している女の子がいました。

👩🏻{どうしたの?)

👩🏽{あの、あたし、乗船したばっかりで. . .デッキ2の教室に行かなきゃいけないんだけど. . .)

👩🏻{そっかそっか、連れてってあげるよ)

こうして100%親切心でこの女の子を助けてあげました。

そしてこのことを100%後悔します。







翌日. . .

食堂でモーリスと一緒にご飯を食べていると、必ずいろんな人が「一緒に食べていい?」と寄ってきます。船中に知り合いのいるモーリスの周りはいつも賑やかです。

特に同じモーリシャス島出身のクルーには大人気。その日もモーリシャス島出身のクルーに囲まれて食事をしていました。


その中に見たことある顔が!


👩🏽{あたし、デリーシャ。昨日は助けてくれてありがとう!)

なんと昨日お節介した女の子はモーリシャス出身だったのです!

細身の若い女の子で、ハウスキーピング部。たどたどしい英語で彼女はこう続けます。

👩🏽{あなたを一眼見た時から仲良くなりたいと思ってたの)

といって抱きついてきました。







その日から度々、食堂で顔を合わせるようになったデリーシャちゃん。



マルタ島に停泊中の時のことです。

いつもマルタ島では、モーリスは午後から仕事、私は午前中で仕事が終わるので、一緒にランチをした後、私は一人で寄港地に出かけていました。


私とモーリスが食堂にいると、デリーシャちゃんが私服で現れました。

モーリスに何事か、モーリシャス語で言っています。

👨🏾‍🦲{これから船をおりて観光に行きたいんだけど、初めてだからついてきてって言ってる)

あまり人と行動するのが好きじゃないので、私はいつも一人で寄港地に行っていました。

でも、まぁ来たばっかの子のお願いを無下にもできず、一回だけならいいか、と思い

👩🏻{じゃあ一緒に行こうか)

とつい言ってしまいました。


彼女は大喜び。

私だけ彼女と下船してマルタ島をお散歩しに行きました。


そして、いざ、マルタ島へ!



. . .あれ?

私は真面目にマルタ島についてちょいちょい解説しながら歩いていたのですが、彼女、めちゃめちゃツーンとしてるんですよ。

喉乾いたの?お腹すいた?と聞いても、首を横に振るだけ。

あんなに喜んでたのに、超つまんなそう。


(な、なにがいけないんだ. . .つまらなくてごめんね〜)

船に戻るまでずっと、内心申し訳ない気持ちでいっぱいでした。



🍋🍋🍋




そんなことがあった数日後。

仕事終わりに、廊下でモーリスに呼び止められました。

👨🏾‍🦲{ぽこ!聞いて、大変なんだ)

モーリスの後ろには、疲れ切って悲しい顔をしたデリーシャちゃんがいます。

👨🏾‍🦲{デリーシャちゃんのルームメイトが相当ひどい女の子らしく、彼氏を勝手にキャビンに連れ込んでは、デリーシャちゃんをキャビンに帰らせないようにしているらしいんだ。今日もキャビンに帰れなくて、一晩でいいから泊めて欲しいって)

👩🏻{それは酷い。上司に掛け合って、キャビン変更してもらえるよう言った?)

👨🏾‍🦲{明日にはキャビンを移動できるらしい。俺のキャビンの床でもいいから寝せてくれって。そんなのできないよ!だから一晩だけ、どうにかできないかな)

👩🏻{よしわかった。私のベッドにデリーシャちゃんを寝せてあげよう。彼女がキャビンにいていいか、私のルームメイトに聞いてみよう。ほんで私はモーリスの部屋で寝ればいい)



ルームメイトのイタリア人の女の子は快諾してくれました(優しい)



夜になって、パジャマを持ったデリーシャちゃんを私のキャビンに案内しました。

👩🏻{私は明日、9時から仕事だから、8時にキャビンに帰ってくるね。申し訳ないけど、8時までにキャビンから出ててね)

と説明しがてら、洗ったばかりのシーツを彼女のためにセッティングしました。

👩🏽{あたしにこんなに良くしてくれた人は今までいないわ。ぽこ、ありがとう)

またぎゅっとハグをして、私とモーリスはキャビンを後にしました。


翌日。



モーリスのキャビンを後にし、8時に自分のキャビンに入ると. . .

ん?


デリーシャちゃんまだガッツリ寝とる. . .!

私は少し焦りました。

キャビンは2人同時に着替えられないくらい狭いんです!


👩🏻{デリーシャ!申し訳ないけど、起きて。私準備しなくちゃならないの。起こしちゃって本当にごめんね)


あわてて起こすと、


👩🏽{あたし仕事10時からなんだけど💢)


と激オコの様子. . .!



そして一言も発さないまま着替え、私の目すら見ないまま、キャビンから出て行きました。



. . .あれ?普通なんかこう、

起きれなくてごめんとか、

泊めてくれてありがとうとかない??





まぁでも寝起きだし、多分低血圧なんだろう。

そう納得してベッドのシーツを剥ぐと. . .


見覚えのないパジャマが。



デリーシャちゃんのだ. . .!


そしてこの後、このパジャマが原因で事態は一気に険悪ムードに. . .



🍋🍋🍋



仕事が終わり、モーリスと食堂で待ち合わせをしていたので向かうと、

そこにはすでにモーリスとデリーシャちゃんが。

👩🏻{そういえば、パジャマ部屋に忘れてってるよ)

とデリーシャちゃんに言うと、

👩🏽{大丈夫、スペアあるから)


ん???そういう問題????

いやぁ、ただ単に私がちょっと気にしすぎなのかもしれない

(他人の服が部屋にあるとどうも落ち着かない. . .)

デリーシャちゃんは食べ終わっていたのか、私が席に着いてしばらくすると席を離れました。

すると、モーリスがぽつりと話しだします。

👨🏾‍🦲{今日さ、キャビンの固定電話にデリーシャから何回も電話がきて)

👩🏻{?!?!?!)

👨🏾‍🦲{俺寝てたのにさ。で、顔のマッサージを友達の男の子にやってあげたいから、キャビンに行ってもいい?って言われて。なんか断れなくて、結局キャビンに来たんだけど。でその時にね、)

👩🏻.。oO(な、なぜにモーリスのキャビンで???)



👨🏾‍🦲{今日はあたしどこに寝ればいいの?って言われたんだ)


👩🏻{ほ. . .ほぉ. . .それは. . .厚かましい)

👨🏾‍🦲{そう。俺はあの子のベビーシッターじゃない。だから俺じゃなくて上司に言えよって言っといた)


なんかツッコミどころ満載ですが、まぁ今後あまり関わらないようにすればいいか. . .と私は思っていました。


甘い、甘すぎるぞぽこ。


🍋🍋🍋


数日経ったある日。

私はキャビンで船内ジムに行く用意をしていました。




なんだか胸騒ぎがする(ざわ. . .ざわ. . .




キャビンの固定電話に手を伸ばし、モーリスのキャビンにかける。

👨🏾‍🦲{. . .はい)

👩🏻{これからジムに行くけど、一緒に行かない?)

私は普段、ジムには一人で行くのですが、何となく胸騒ぎがしたので電話をかける口実にジムに誘いました。

👨🏾‍🦲{あぁ. . .えっと実は今デリーシャがキャビンに来てて. . .)

👩🏻.。oO(!!!!)

嫌な予感は的中。キャビンに招くと言うことは、自分の寝室に招くことと同義ですぞ!何しとんじゃ!

👨🏾‍🦲{ぽこも来る?)

👩🏻{いや、行かない)

👨🏾‍🦲{えっあっデリーシャが、置いてったパジャマ、持ってきて欲しいって言ってる)


なんだってぇぇええ!!

泊めてあげたのに態度悪いわ、

人のボーイフレンドのキャビンに勝手に行くわ、

その上忘れ物を取りに来るのではなく持ってこい!?!?


脳みそに火がついた状態で、私はデリーシャのパジャマを引っ掴み、いざモーリスのキャビンへ。



キャビンに入ると、

モーリスはパジャマ姿でベッドに寝っ転がり、

デリーシャは制服姿で立っていました。

(幸いにもルームメイトもいました)



デリーシャにパジャマだけ渡して出て行こうとすると、

👩🏽{怒ってる?)

と聞かれます。困ったような、純情な、虫も殺せないような眼差しで。


そう、この目です。私が騙されたのは。


👩🏻{別に。そういえばさ、キャビンは変更できたの?)

自分でも驚くほど冷たい声です。

デリーシャはびっくりしたのか、しどろもどろになり、不明瞭な答えが返ってくるばかり。

私はやっと理解しました。




全部嘘だった。



私と仲良くなりたかったなんて嘘。

はなから私のことは眼中になかった。

デリーシャはモーリスに近づきたかったんだ。

だっていつも、あなたは私じゃなくてモーリスに話しかけていたじゃない?


マルタ島に行った時も、私じゃなくてモーリスと出かけたかった。

だからつまらなさそうだったんだ。


一晩だけ泊めてくれって言ったのも、寝る場所がないからじゃない。

モーリスの部屋で寝たかったんだ。



キャビンの変更もしてないんだ。

だって、そもそもデリーシャのルームメイトに問題はなかったんだ。



私はそのままモーリスのキャビンを後にしました。





その後、色々モーリスと話し合った結果、デリーシャちゃんとは距離を置くことにしました。


後から聞いた話ですが、

デリーシャちゃんはとある別のカップルとトラブルになり、船を降ろされて別の船に異動になったそうです。

そして異動先の船でも、トラブルになり、また違う船へ. . .


人のものがどうしても欲しくなる人は、どの世界にもいるんですね。




👉🏻👉🏻👉🏻次回予告👉🏻👉🏻👉🏻

いよいよ、ぽこは契約期間を終えて下船!!

しかし、モーリスの契約期間はまだまだ続く. . .

毎日会って一緒に食事もしていたのに、急に遠距離恋愛が始まる⁉️

そしてぽこの内面に変化が. . .❗️

次回、『結婚するという意味』お楽しみに🤗














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ぽこ
豪華客船で働いていたら、モーリシャスから来た夫と6ヶ月でスピード結婚!結婚5年目、今までとこれから。

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